東京地方裁判所 昭和55年(ワ)8860号 判決
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【判旨】
被告国が公職選挙法二〇一条の五、同条の六を制定したことは当事者間に争いがないが、原告は右法条は憲法、一三条、一四条一項、一五条二項に違反する旨主張するが、次の理由からこれを採用することはできない。
公職選挙法二〇一条の五、同条の六は、総選挙又は通常選挙において、「政党その他の政治活動を行う団体は、その政治活動のうち、政談演説会及び街頭政談演説の開催、ポスターの掲示、立札及び看板の類の掲示及びビラの頒布並びに宣伝告知のための自動車の使用については、選挙の期日の公示の日から選挙の当日までの間に限り、これをすることができない。但し、確認団体は一定の限度で右政治活動ができる。」旨規定している。この法条制定の趣旨は、選挙の自由、公正を確保するために、選挙運動にわたらない、本来自由であるべき政党等の政治活動を、所定の期間に限り規制するものであるが、個人の行う政治活動はこの規制の対象外とされているから、確認団体に所属する個人に比して、一般個人を不当に差別するものではない。ただ、右法条は、確認団体と、そうでない団体との政治活動に差を設けているため、確認団体に所属する個人がそうでない団体に所属する個人に比して、選挙運動上有利となる一面はあるが、確認団体でない政治団体も、この利益を受けようと思えば、政治団体から全国を通じ二五名以上(総選挙の場合)又は一〇名以上(通常選挙の場合)の候補者をたて、その確認を受ければよく、確認団体になる途は法律上開かれているのであり(公職選挙法二〇一条の五第一項但書、第三項、同条の六第一項但書、第二項)、また、右法条か確認団体を全国を通じ二五名以上又は一〇名以上の候補者を有するものに限定したことは、政治団体といえるためには多数人の結合が必要であり、そこにはおのずから一定の限界があり、憲法四七条によれば、これをいかに画定するかは立法府の裁量に任されたものと解され、しかも右限定は我国情に照して妥当なものと考えられるから、前記公職選挙法の法条が憲法一四条に違反するとは考えられないし、また、同一三条、一五条二項に違反するとも到底考えられない。
(山口和男 林豊 竹内民生